2023年10月20日(金) - 22:56 | カテゴリ:
Linux
“ns-lab BB”の主要サーバはLet’s EncryptのSSL証明書を利用しているが、
一部サービスでは認証局からSSL証明書を購入して使っている。
購入している方では、セコムトラストのSSL証明書を利用していたが、
数年使い続けていたのと他社も使ってみたかったのでJPRSに乗り換える事とした。
この乗り換えに罠が潜んでおり、見事にトラップカードが発動したので備忘録を残す。
起きた事は明確で、権威DNSにJPRSのCAAレコード追加を忘れており、
ルートCAのSSL証明書発行プロセスで順当に拒否された (´・ω・`)
CAAレコードは、該当ドメインで発行を許可する認証局を指定する事で、
意図しないSSL証明書の発行を抑制する仕組み。
正直な所、自宅サーバレベルならCAAレコードは不要なのだが、
一部のHTTPS判定サイトの評価基準にCAAレコード登録があったので数年前に登録した。
今回はCAAレコードを更新していなかったのが問題なので、
セコムトラストのCAAレコードを削除して、新たにJPRSのCAAレコードを追加した。
この状態で改めてSSL証明書の発行をJPRSに依頼した所、無事に審査が通り発行出来た。
CAAレコードは殆ど弄らない設定だからこそ忘れていた。
まだ馴染みが無いCAAレコードだが、
YahooやGoogleなど大所は設定されているので徐々に普及していくと思われる。
自鯖で必要なシーンはほぼ無いが、自鯖だからこそ出来る設定でもあるので、
当面はこのままレコードを管理しようと思う。
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2023年08月05日(土) - 12:45 | カテゴリ:
Linux
オープンソースのRDBMSと言ったら、MySQLとMariaDBを思い浮かべる人は多いと思う。
筆者も同じタチで、しかも作る物が殆どMySQLかMariaDBを前提にしているのもあり、
動作互換性のチェックの為にも両方の環境を維持する必要があった。
そんな中、”ns-lab BB”バックボーン用Web鯖のApacheをアップグレードしようと、
APR-utilにmakeを打ち込んでみたら「my_boolなんて存在しない」と怒られた。
エラー文のコピーを忘れてしまったが、my_bool型を参照しようとしてエラーになっていた。
………
MySQL 8.0より古いバージョンではmy_boolを使っていたが、
MySQL 8.0以上では廃止されて普通のbool型を使うか、intで数値として取り扱う様に変わった。
APR-util 1.6.3がこの対応が出来ておらずエラーに繋がった。
- MySQL 8.0 C API Developer Guide [PDF]
MariaDBはmy_boolをサポートし続けているので普通にビルドが出来るのだが、
MySQLはサポートを打ち切った影響で今回のエラーが出てしまった形となる。
修正箇所はASF Bugzillaに上がっており、apr_dbd_mysql.cでbool型にtypedefすれば良い。
MySQLのドキュメントでも今後はboolを使う用に記述がある位なので、
typedefで別名つけても普通に動く。
MySQLからMariaDBに切り替えるのも手だが、
筆者の様に必要な環境もあるので、久々にAPR-utilをアップグレードしてくれたら嬉しい限り。
2023年07月21日(金) - 22:27 | カテゴリ:
Linux
“ns-lab BB”のサーバ管理にAnsibleを多用しているのは言うまでもないが、
サーバをメンテナンスするタイミングを逃して実行環境を放置していた。
昨日、メンテナンスの時間を確保出来たので、
KVMホストのメンテと一緒にAnsible実行環境のアップグレードしたのだが、
Ansible 2.14.2へ変わったのがマズかった。
一部のプレイブックでは以前作成した管理用スクリプトをshellモジュール経由で叩く様にしており、
その中で警告メッセージを減らす為にshell:warnの設定を入れていた。
しかし、Ansible 2.14でshell:warnが削除されたのでエラーで失敗する様になった。
Starting in 2.14, shell and command modules will no longer have the option
to warn and suggest modules in lieu of commands.
The warn parameter to these modules is now deprecated and defaults to False.
Similarly, the COMMAND_WARNINGS configuration option is also deprecated and defaults to False.
These will be removed and their presence will become an error in 2.14.
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コレに気づかず、アップデート後初のAnsible実行でエラーの嵐が発生。
普段動いていた物が動かなくなったので焦ったが、独自に組んでいたログ取得からデバッグを開始。
表題の通り、shell:warnの所で処理が軒並み停止する事がわかった。
Ansibleの更新履歴を追いかけた所、v2.11のDeprecatedリストにそのまま載っていた。
実行時もwarnオプションが存在しないから削除する様にエラーが出ていたので予想はついていたが、
更新履歴はちゃんと読まないとハマる事があると改めて実感した出来事だった。
………
自宅鯖だからこそ読まずにぶっつけ本番をした結果ハマった原因だが、
流石に自宅鯖で全部追いかけるのは大変なのと、
趣味の範疇だからこそぶっつけ本番チャレンジ出来るのがメリットなので、
敢えてやり方は変えず今回の事も備忘録にしておこうと思う。