COMPUTEXはIT企業のコンピュータ見本市で6月上旬に行われる事が多い。
開催国が台湾という事もあり、自作PCパーツをメインに様々なIT企業が最新技術を持ち寄る。
普通ならば、PCパーツバイヤー・新技術のウォッチなどビジネス目的で参加するのだが、
上手く申請すれば一般人でも参加する事が出来る。
今回、筆者は一般人として行ってきた為、参加申し込みも自力で行う事となった。
参加申し込みのコツは他サイトが公開してるので詳細は割愛。
ただし、一般枠で参加する場合も参加審査があり一定の基準がある模様で、
申請時のメールアドレスをフリーアドレスにしたり、職業を適当にすると審査で弾かれ、
独自ドメインで構築した自鯖メールアドレスを使ったりしたら審査を通る事が出来た。
………
COMPUTEXの審査に通ると、当日の参加情報・パスカード交換所が記載されたメールが返信される。
受信したメールを印字した紙を現地に持っていき手続きを済ますと、
開催中の台湾地下鉄が乗り放題となるパスカードが発行される。


地下鉄フリーパスは非接触ICカードが発行され、Suicaと同じような感じで地下鉄に乗車出来る。
展示会場への入退場は発行されるパスカードに印字されているQRコードを読み取って行う。
QRコードは名刺代わりにもなり、会場を歩いているとスキャンを求められる事があった。
………
2019年のCOMPUTEXは3会場で開催しており、
各々の会場でハードウェア・ソフトウェア・アプリケーションで大別しているみたいだった。
自作PC好きな筆者としては、迷わずハードウェア系の展示会場に突撃したのだが、
想像以上にPCパーツ全降りな展示内容で度肝を抜かれた。


GIGABYTEブースで見つけた、Asetek製・水冷CPUクーラーを積んだマウントサーバ。
写真だと見えにくいが、2200wを4個積んだリダンダント電源と水冷ポンプのデモ機だった。
NWラックからはみ出ているし、かなりのキワモノなので実際に使う事は無いと思うが、
マザボメーカーと水冷メーカーが組む事で、冷却に配慮した新型サーバが増えていくかもしれない。
………

マザボ枠としては、ASRockが中々の変態(褒め言葉)マザーボードを出していた。
「ASRock X570 Phantom Garming-ITX/TB3」は第三世代Ryzenを積める一品。
Ryzenを積めるITXサイズというだけでもASRockらしいキワモノなのに、
実装面積の都合でAMDマザーボードなのにIntel CPU用のクーラーを積む事になったのが変態過ぎる。
昨今だと、CPUクーラーのマウンタを取り替える事でマルチ対応しているケースが多いが、
まさかマザーボード側で対応するとは思わなかった。

普通のマザーとしては、X299チップセットを使ったASUS創業30周年記念品となる、
「ASUS PRIME X299 EDITION 30」の展示があった。
Webカメラ・ジェスチャー装置を積んだ外部モジュールが付属したり、
VRM冷却にヒートパイプとファンを組み合わせて冷却力強化を図っていたりと、
中々プレミアムな内容だった。
…………


ストレージ枠だと中々に興味深い物が2点あったので紹介。
QNAPが出していた「QNAP QDA-A2MAR」はM.2 SSDを2枚搭載する事で、
M.2 SSDを2.5インチに変換する下駄となる。
ただの下駄なら裸族シリーズなど他社製品があるが、QDA-A2MARは単体でRAIDも組めるのが特徴。
例えば、ノートPCで2.5インチドライブしか無い場合にRAIDを組む用途に応用出来るかもしれない。
そうで無くても、3.5/2.5インチドライブしか搭載していない、QNAP製NASの可用性向上も期待出来る。
USBデュプリケーターは199個のUSBメモリに同時書き込みが出来る代物。
使う機会は早々無いと思うが、展示会等でUSBメモリをばらまく時に使えるかもしれない。
写真を見れば判る通り、実際にデータを書き込むデモも行っていた。
………




COMPUTEXらしく、各メーカーの最新パーツを使ったディスプレイ用の自作PCも展示されてた。
現地の自作PC例を見た感じだと「本格水冷PC」がトレンドとなっているのか、
ハードチューブを使って排水経路をデザインしつつ、大型ラジエーターを積んでいる物が多かった。
恐らく、昨今のCPU温度に対応しつつ冷却効率を上げるには水冷が最適解なのだろう。
………
そんなこんなで、写真撮るのを忘れて楽しんだ場面もあったのだが、
初めてのCOMPUTEXは中々に興味深く楽しかった。
海外旅行となると言語の敷居が凄く高く、行くのも大変な印象を持つのが普通だが、
相手も公用語が英語では無いので、互いに単語レベルの英会話でもなんとかなった。
地味に影響のある物資調達の事を書くと、
台湾(台北)はコンビニが町中にあるので海外とは言っても日本並に安心して物を購入出来る。
初めてコンビニに入店した時には鼻を突く八角臭が強烈ではあったが、
何回も行く内に慣れてしまった。
敷居が高いのは否定出来ないが慣れればなんとかなるのと、それに勝る楽しさがCOMPUTEXにあった。
普段からPCパーツを弄っていたりガジェット好きな人は特に満足出来る内容となっており、
非日常感があったり、メーカーが今後1年で売りたいトレンドとなるパーツも直に感じる事が出来る。
今回は弾丸スケジュールで参加してきたのだが、
来年度はちゃんとスケジュールを確保しつつ、事前準備も入念に行って参加しようと思う。

台北地下街で撮ったマスコットキャラクターの『莉洋 (リオン)』
是非、来年も同じ場所で写真を撮れる事を思いつつ。
« 続きを隠す