夏ノ雨をフルコンプ
最近はエ○ゲをコンプリートしても、コメントを書く程気に入った物が無かったが…
コミケロスも相まって纏まった時間が出来たのでゲームを崩そうと思っていた所、
丁度、夏のエ○ゲソングを聴いていた事もあり「夏ノ雨」を崩したくなったので引っ張り出してきた。
CUFFS系ブランドのCUBEデビュー作という事もあり、当時からゲーム自体は知っていたのだが、
当時はゲーム本体よりもOPの方に興味が向いてしまい積みゲーとなっていた。
システム
ゲームシステムは普通のアドベンチャーゲームで、共通5時間・個別15~20時間のボリューム。
全ルートフルコンプで25時間程度となり、他のフルプライスエ○ゲより手軽に出来る文量だと感じた。
ルート選択肢は簡単なので迷う事は無いが、シナリオジャンプやキーカスタムが出来なかったりと、
昨今のゲームシステムと比較すると劣る部分が多いので注意が必要。
ただ、歴戦のエ○ゲーマーならシステムの不自由さに、ある意味懐かしさを感じるかも知れない。
解像度が800×600のSVGAかつ、画像拡大時のアンチエイリアスが弱めなので仕方無いのだが、
フルHDモニタ・4Kモニタなど今風のPC環境でプレイすると荒さが目立つ部分がある。
その辺りはVGAドライバやモニタのハードウェア補正を行えばある程度補正されるので、
使える設備を持っている人は試してみると良いと思う。
夏ノ雨には修正パッチがある上、シングルモニタ用とマルチモニタ用の2系統が存在する。
シングルモニタパッチを適用した後にマルチモニタパッチを適用する事は出来るのだが、
マルチモニタパッチを適用してからからシングルモニタパッチを適用出来ないので注意が必要となる。
さらに、マルチモニタパッチを適用すると攻略フラグや設定も初期化されるので、
ゲームを進める前はマルチモニタパッチを真っ先に適用した方が良い。
なお、シナリオを書いた紺野アスタ先生は、後に「この大空に、翼をひろげて」を書いたり、
現在開発中の「ATRI」の企画・シナリオを手がけている御方。
夏ノ雨でシナリオが気に入ったら、これらも要確認となる。
シナリオ・攻略順
キャラクター毎にシナリオが独立しており、好みのキャラクターから突撃しても概ね問題は無い。
ただ、理香子はシナリオの作り込みが他キャラクターと別格なので最後の方に回す事を推奨。
筆者は『ひなこ → 美沙 → 翠 → 理香子』の順番でプレイしたのだが、
『翠』推しの人は『美沙 → ひなこ → 理香子 → 翠』の順番で進めても綺麗にシナリオが繋がる。
夏ノ雨では様々な解釈が出来るゲームテーマを扱っているのだが、
実際にフルコンプして感じたのは「家族の定義」と「一歩踏み出す」の二つが軸になっていると感じた。
一部の人は胃が痛くなる内容なのだが、全部胃が痛い展開では無いので根気よく読み進めて欲しい。
シナリオ自体もテンポ良く進んでいき、ゲーム開始2時間辺りから読むのが面白くなっていく。
上の注意点も加味した上で、このゲームでエ○ゲらしい青春を味わいたいなら『翠』ルート、
このゲームのテーマ・本質を読みたいなら『ひなこ → 理香子』ルートを進めるべし。
それだと『美沙』ルートが出てこない事になるが、このルートに家族のテーマが強く反映されている。
最初は数合わせのサブキャラかと思っていたが、読んで見たら一気に評価が上がった。
原画・キャラクター
兼清みわ先生・カントク先生のコンビが原画を担当。
当時は絵のタッチが似ていた事もあり、原画担当が分かれていても違和感が少なかった。
良く見ると目の描き方が違うので、判る人が見れば判ると思う。
当初は翠が1位だったが、ゲームをプレイしたら理香子が断トツ1位に。
シナリオ補正も入ってはいるが、黒髪ロングが恋しくなる時もあるんですよコレが (*´Д`)
可能なら、理香子の前学校制服を使ったえってぃシーンが欲しかった…
BGM・主題歌
BGMは「Peak A Soul+」、主題歌はDucaさんというCUBEブランド安定の組み合わせ。
主題歌の『Platonic syndrome』はDucaさん代表曲の一つなので聞いた事ある人も多い筈。
筆者もゲームを知る前にOP主題歌を知り、主題歌を聴く目的でゲームを購入し今迄積んでいた。
BGMはシーンに沿って使い分けられているが、ゲーム全体を通すと暗めの曲が多い様に感じた。
ゲームテーマが重い内容なのも反映していると思うが、主題歌と原画がポップなので面食らうかも。
ただ、物語の『結』で流れるBGMがシーンに合致しており、涙腺が緩んでしまい、
美沙ルート終盤のファミレスシーン前の電話と、理香子ルートの真相シーンで流れるBGMは、
シナリオに合わせて作曲したと思うレベルでシンクロしていて泣きっぱなしだった。
主題歌はアップテンポで、夏をイメージする歌詞とコード進行となっている。
始まり部分はギターメロディでワクワク感を感じさせつつ、
イントロに入る直前のドラムで一気にテンションを上げるのは流石と言える。
曲ラスト直前の
「Can you feel me ? My heart platonic syndrome」から、サビに入り直す進行が、
曲のテンションを一気に引き上げる印象を付けており最高の仕上がりになっている。
………
今年は行く予定だったイベントが全滅した事もあり、自宅に籠もる機会が増えた。
今まで出来なかった自鯖メンテや、積みゲーを崩して時間を有効活用しているのだが、
『夏ノ雨』はもっと早く崩しておけば良かったと少し後悔した。
でも、積んだからこそ絶好タイミングでプレイ出来たのも事実なので、結果的に良かったのかも知れない。
全盛期の2009年エ○ゲらしくハイレベルで纏まっており、今プレイしても名作に入る内容になっている。
まだプレイしていない人がいたなら、今の時期だからこそプレイを是非して欲しい。
OP目当てで購入して積んでいる人についても、
ゲームをプレイする価値は十分あるので食わず嫌いせずやってもらいたいと思う。
そして、コレを書き上げたら改めて理香子ルートを再度回ってこようと思う。