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うたわれるもの 二人の白皇をフルコンプ

2016年11月24日(木) - 22:56 | カテゴリ: ゲーム

ここまでのめり込んだゲームは、うたわれるものシリーズが久々だった…

2016/9/21に満を持して発売となった、うたわれるものシリーズの最終章、
うたわれるもの 二人の白皇」をフルコンプしたので、
ゲームの魅力・独特の世界観・BGMと主題歌の素晴らしさを感想混じりにレビュー。


文句無しで、筆者のベストゲーム入り。何回プレイしてもシナリオで泣いてしまう…
特にゲームのラスト直前のやり取りが至極。

シナリオは前作となる偽りの仮面と同様に1本道で構成されている。
途中に選択肢分岐もあるがシナリオ分岐と影響は無く、
普通にプレイしていれば、最終的に全シナリオ文章を読む事が出来る。

ちなみに、二人の白皇のプレイ時間は、シナリオ全部読みつつラスボス撃破が35~40時間
裏(後述)フルコンプ含め余すこと無く堪能するには75~85時間はかかる。
しかし、ゆっくり目でフルコンプするには100時間は見積もった方が良い。

 

~ 以下、ネタバレ ~

ゲームをプレイしていない人は、
うたわれるものシリーズをフルコンプしてから読むのを強く推奨

 

………

・シナリオ

「偽りの仮面」の延長線上となるので、絶体に偽りの仮面をプレイした上で、
二人の白皇
をやらないと、各所の細かいシナリオ描写を理解する事が出来ない。
ゲーム・アニメどちらかだけだと描写不足な所もあるので、
是非とも両方クリア(視聴)した上で本作をプレイして貰いたい。

内容は、ハクの一味が落ち逃れたエンナカムイから帝都を奪還するのが主となっている。
途中、帝都軍(ある御方の)様々な策略によって苦しめられながらも、
色々と策を打ちつつ侵攻し、帝都奪還に向けて動く事となる。
普通に敵が来たり、仲間だと思った人が寝返ったり、逆に仲間として戻って来たり、
ハラハラしながらゲームの前半シナリオを進めていき、
最終的に帝都奪還に向けて大決戦を繰り広げる事となる。
そして、帝都の戦を進めていった後には、さらなる急展開が…

ちなみに筆者は最初、平日の夜にクリアしようと思っていたのだが、
次の日が再起不能になると困るので、ゲームのクライマックスを金曜夜から進めた所、
予想以上に内容が濃く没頭してしまい、気がついたら土曜日の朝6時になっていた。
そして、その日は再起不能になっていた ヘ(゚∀゚ヘ)

その位、依存性没入感が強く、のめり込めるラストなので、
是非とも1日丸ごと使ってラスト付近を堪能してもらいたい。
というより、そうしないと次の日が再起不能に…

集大成だけあり、かなりボリュームが多いシナリオという印象。
エ○ゲシナリオ換算で、恐らくシナリオ文章が3~4MByte位は使っているような気がする。
偽りの仮面と合わせると、6MByteは超えてそうだった。

………

・3D、キャラクター、背景

甘露樹先生、みつみ美里先生の両陣営がキャラクターデザインを行っている点は変更無し。
キャラクターも主用メンバーは前作の引き継ぎとなるが、
前作で名前だけ出ていた一部キャラクターにも絵が付いた。
あと、前作のフォークが武器(仮)でスプーンが防具(仮)なキャラクターにも…
恐らく、このネタがわかる人はゲームラストで大泣きするに違い無い。

また、女性キャラクターが可愛らしくなっており、
立ち絵・イベント絵等で可愛すぎてハァハァしながら胸を掻きむしられる事に (;´Д`)ハァハァ
二人の白皇の冒頭では特に意識していないキャラクターが、
ゲームクリア時には大好きなキャラクターに変身している人も多い筈。

背景(CG)は前作以上に緻密になっており、
その綺麗さがシナリオとキャラクターを引き立てるスパイスになっている。
二人の白皇では、全体的に白みがかったイベント絵が多いのだが、
これが良い感じに「うたわれるもの」の世界観を演出しているのも素晴らしい。

3Dキャラクターは前作の倍以上が実装されている。あれとか、あのキャラとか…
通常キャラクター、敵キャラの大物タイプ(3×3マス)、アクルトゥルカとかも実装されていた。
あと、3Dキャラの表情がかなり細かく作られており、
ダメージを受けた直後、ステータス異常、協撃中などもコロコロと表情が変わるので、
キャラクターの造形を見るだけでも、相当の時間がかかる。
そして、その細かい所を確認していくのが、結構楽しいので是非そういう面も見て欲しい。

キャラクターで残念だったのが、キャラクターの全体絵を見るモード等が実装されていなかった事。
クオンの×××服とか、フォークの人とかの全身を見たかった…
今までのアクアプラス製品でも(知る限りは)、キャラクターモードは無かった筈なので、
ブランドとして実装しない方針なんだろう。
これは是非とも次回作で実装してほしい所である。

………

・BGM、主題歌

前作に引き続き、ほんわりとした曲調と「うたわれるもの」を彷彿とさせるBGMが健在。
恐らく、アイヌ音楽も取り入れて、コンセプト自体を上手く引き出しているのだろう。
BGMは「散りゆく者への子守歌」のBGMを編曲した物や、
主題歌を二人の白皇用に編曲し直した曲もあり、
今までのうたわれるものを知っている人ならば、満足出来る曲が揃っている。

特に戦闘シーンの盛り上げBGMがシナリオにマッチしており、
ボス戦とかで一人(心の中で)叫びながらボスをぶっ倒す事も複数回。
その位の没入感を出せて燃えるBGMもあれば、
シナリオのクライマックスで流れる曲や、しんみりした場面で流れるBGMも中々に良かった。

筆者一番お気に入りは「キミガタメ 2016」
この曲が流れる直前に燃える展開があるのだが、
その山を越えた後のラスト付近でこの曲が流れた時は常に号泣していた。
そして、号泣の後にやってくる次の一連シーンをさらに号泣しながらテンションMAXになるという、
なんとも複雑だけどゲーム内のキャラと一帯になった感じが最高に良かった。
ちなみに、このシーンをAM3:00頃にプレイしていたのだが、
BGM・主題歌・シナリオパワーで眠気なんて吹き飛んでいた。

………

・戦闘

今作で復活した協撃システムの活きる場面が多く、
前作で問題だった「レベルを上げて殴れば勝てる」が改善されているのは良かった。
今作では、連撃・協撃・属性・装備の4要素が上手く噛み合っており、
単にレベル上げただけでは、例え最大レベル近くとても雑魚にやられる場面が出たりする。
しかし、連撃・協撃で上手く立ち回ると敵を完封出来たり、
装備を活用する事で、キャラクターが活きる立ち回りが出来るようになっている。

戦闘スタイルもキャラクター毎に特長が強く出ており、
特長を伸ばして立ち回るか、逆に弱点を潰して全対応出来るキャラに仕上げるか等、
色々な戦法をとれるようになっている。

筆者の場合、アトゥイ大好きなので、アトゥイが主戦力として動けるように装備を調整し、
アトゥイが先陣を切って敵を壊滅した後に他キャラクターがサポートに回るような装備にしている。
だって、好きなキャラクター使ってなんぼでしょ (`・ω・´)

戦闘システムで少し残念だったのは、BP依存率が高いのと、
クリア後モードの戦闘でダメージインフレが凄く、一撃死するキャラクターが続出する事。
装備である程度の軽減は出来るが、ノックダウンには勝てないのでどうした物かと思った。
最終的には装備と立ち回りでなんとかする事が出来るので大きな問題ではないが、
針の穴に糸を通すような立ち回りが必要になるので、
好きなキャラクターで敵をボコボコにしたい人にとっては、取っつきにくいかもしれない。

そして、戦闘面で忘れては駄目なのが、ラスボスでの専用ボイス&カットイン。
ほぼ全ての、通常技・必殺技・協撃必殺技に専用ボイスが用意されている。
さらに協撃必殺技は必殺技に専用カットインが入り、場面の盛り上げに一役かっている。
全部のラスボス専用ボイスを聞くのはかなり大変なのだが、
うたわれるもの好きとしては是非とも全ボイスを聞いて欲しい。
「全ボイスなんて不可能!!」という人は、せめて協撃必殺技は全部聞いて欲しい所。
専用セリフ・カットイン・BGMが相まって、泣きながらテンションMAXになる。

難易度高いが是非とも実現して欲しい、シチュエーションとカットインは、

  • 好きなキャラクターがメインの協撃必殺技
  • アンジュの協撃必殺技
  • オシュトル(ハク)の協撃必殺技

の3つでラスボスにトドメをさす事。
ピッタリのタイミングでトドメをさせた場合は、脳汁出まくって凄い事になる。
難易度的に狙った協撃必殺を出すのは大変だがチャレンジして欲しい。

………

・クリア後のおまけ

クリア後は、BGM・イベントCG・キャラクターの声優コメントを見るモードが追加される。
そして、前作同様に本編よりも格段に強くなった敵と戦い続ける「夢幻演舞」も追加されるのだが、
この夢幻モードが想像以上に凝っている物に進化していた。ちなみに、全述の通り立ち絵モードは無いです。

最初の方は、とりあえずレベルを上げて殴れば良いのだが、
あるステージを境に、装備・属性を見極めつつ適切な立ち回りをしないと、
敵からボコボコにされるようになっていた。
しかし、試行錯誤の上ちゃんと立ち回ると楽に倒せるようになっており、
前作から進化した夢幻演舞として実装されている。

ちなみに、夢幻演舞だとレベルよりもBPが重要な要素になっており、
レベルを上げなくてもBPを稼いで立ち回りを上手くすれば、
低レベルでも全ステージをクリア出来る様になっている。

また、通常の無限演舞とは別にエクストラモードが実装されており、
「うたわれるもの」のスタッフが全力で楽しんで遊んでいるステージがある。
こちらの方は、シナリオに連動した形で凝った特別ステージになっており、
ネタで全力疾走しているので、ここまでうたわれるものをプレイした人は満足出来る内容だった。
正直な所、無限演舞の主コンテンツはこちらなのではないかと思う程である。

………

・総評

今作だが、うたわれるものシリーズ最終章に相応しい、
近年稀に見る高い完成度を誇る素晴らしいアドベンチャーゲームだった。
今作は重めなテーマかつシナリオなので、
キャラクターを愛でたい人にとっては取っつきにくい印象を持つかもしれないが、
実施にはキャラクターを立ててあり、今まで好きだったキャラクターをさらに好きになれる。

「うたわれるもの 散りゆく者への子守歌」「うたわれるもの 偽りの仮面」で未回収だったフラグ、
掘り下げて欲しかったシナリオ、ゲームテーマに沿ったBGMと主題歌、各ゲームの要素が連動した結果、
「うたわれるもの 二人の白皇」で完結した事で、
うたわれるものシリーズがやっと完成したイメージがある。

近年はゲームが下火と言われたりしている中、この完成度のゲームを出してきたアクアプラスには、
PC版うたわれるものから数えて、14年越しのうたわれるものタイトルを出す意地と誇りが垣間見えた。
ゲームの全要素がここまで素晴らしいアドベンチャーゲームはもう出ないのでは無いかと言える位、
心から絶賛出来るゲームが「うたわれるものシリーズ」だった。

そして、うたわれるものをプレイする事が出来て、心から良かったと思いながら、
筆者大好きなアトゥイでまた夢幻演舞に行ってくる事にしよう。





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