VyOSをソースからビルドしてみた
自鯖のバックボーンを刷新する為に、VyOSの検証を進めているのだが、
最新版となるv1.2.3のISOイメージがなかったのでビルドしてみた。
とは言っても、公式wikiでビルド手順が公開されているので、
Linux環境さえ手元にあれば簡単にビルドする事が出来る。
筆者の場合、ThinkPad x250にインストールしたLinuxMintを使ってビルドしたが、
2~3時間程度で作業が完了した。
手順は下記の通り。ビルドにはdocker環境が必要になるが、
“apt/yum/zypper” 辺りのパッケージ管理を使ってインストールすれば良い。
その上で、次のコマンドを実行するとISOイメージが “build” フォルダに生成される。
# git clone https://github.com/vyos/vyos-build
# cd vyos-build
# docker build -t vyos-builder docker
# docker run --rm -it --privileged -v $(pwd):/vyos -w /vyos vyos-builder bash
---
$ ./configure --build-by postmaster@example.com --build-type release --version 1.2.X
$ sudo make iso
$ exit
|
注意点は、バージョン指定の箇所。従来は様々なバージョンを指定出来た見たいだが、
現在は正式リリースがv1.2系のみなので、実際には1.2しか指定する事が出来ない。
ただ、ビルドタイプをリリースにした上でバージョンも指定すると、
“show version” を実行した時に出力されるバージョン番号を書き換える事が出来る。
実環境だとバージョンが判らないのは困るので、
一番近いメンテナンスバージョン番号を入力すれば良いと思う。
………
打ち込むコマンドを下記の様に変更するとブランチ指定が可能となり、
mainブランチが1.3系でも、バージョン1.2を指定出来る事が判ったので追記。
この方法が公式ドキュメントでも公開されたので、最新のやり方はそちらを参照。
# git clone -b crux --single-branch https://github.com/vyos/vyos-build vyos-build-1.2.X
# cd vyos-build-1.2.X
# docker build -t vyos/vyos-build:crux docker
# docker run --rm -it --privileged -v $(pwd):/vyos -w /vyos vyos/vyos-build:crux bash
---
$ ./configure --build-by postmaster@example.com --build-type release --version 1.2.X
$ sudo make iso
$ exit
|
………
IPv6周りにバグが残っているのが残念だが、今後修正されると思うので待つべし。
Cisco機器・Juniper機器を弄れる技術があれば、VyOSも簡単に弄る事が出来る。
昨今だとAWSマーケットプレイスでも提供されている位なので、今後は利用シーンが増えていくかも。