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9-nine-シリーズをフルコンプ

2020年12月31日(木) - 12:42 | カテゴリ: ゲーム


例年なら冬コミに参加している時期だが、2020年の冬コミは延期になったので時間が丸ごと開いていた。
「それなら、纏まった時間を使ってエ○ゲを一本プレイするか」と考えに至り、積んでいたゲームを物色。
時間があるなら長めのゲームをプレイしたかったので、気になっていた『9-nine-』を引っ張り出してきた。

という事で『9-nine-シリーズ』各章をプレイしたので、ゲームの感想を2020年最後の記事にしようと思う。


全て通常版を購入したので物はゲーム本編のみ。
後の祭りだが、『ゆきいろゆきはなゆきのあと』の特典になっていた、
全巻収納BOXも買っておけば良かった (´・ω:;.:…

プレイ以前の問題だが、DVDメディアを紙ケースから取り外せず1時間程度格闘。
ゲームを開始する前に心が折れそうになった。


DVDが固定してあるツメが特殊形状なので、一般的な方法でディスクが外れなかった。
正解の外し方はわからなかったが、中心を思いっきり押し込みつつディスクを回す事で取り外した。

 

ここから先は、ゲームのネタバレを少々含むので注意。

………

シナリオ・システム

本作は、ほのぼの日常と超能力をミックスしたバトル物エ○ゲ。
シナリオの味付けはカジュアル層向けになっている為、エ○ゲーマーは物足りないかも知れない。
前半は日常シーンを多めにしつつ鍵となる石化事件を追いかけていき、
中盤から終盤にかけて物語の真相を解明しつつ、アーティファクトを使ったバトルに発展する。
日常・イチャイチャ・謎解き・シリアス・え○ちぃシーンなど必要なエッセンスは全部含まれていた。

ざっくりと各章を紹介すると、
ここのつ』は、都とイチャイチャしつつ物語の鍵となる石化事件の導入部を進め、
そらいろ』で、天のボケ・ツッコミを楽しみながらアーティファクト固有の問題を解決し、
はるいろ』が、春風と物語の真相へ王手をかけつつ、デスカレー先輩のあだ名を拝命し、
ゆきいろ』の、希亜との厨二やり取りを堪能したら、色んな意味で折れかけながら全てを解決する。


作中で出てくる、デスカレーの流れは腹が痛くなるまで笑った。
プレイヤーをここまで惹かせる事が出来るのも、シナリオと天の声優さんあってこその物。

各章のプレイ時間は9~12時間でシリーズ通しは40時間程度。
9-nine-シリーズを全部通しでプレイするとフルプライス一本分と同じ文量になる。
選択肢は一応存在するがシナリオに沿って選択すれば進むようになっており分岐はほぼ無い構成。
え○ちぃシーンはキャラ毎に3つ用意されており、E-moteで動画を差し込む事で動きを表現していた。
設定変更で動画とイラストの切り替えが可能になっており非力PCでも動く様に配慮されている。
Android版が発売出来たのも、この様な細かい作り込みが活きた結果だと思う。

………

攻略順

公式情報では『ここのつ』『そらいろ』『はるいろ』は順番を問わないと紹介されているが、
最初から順に『ここのつ → そらいろ → はるいろ → ゆきいろ』でプレイしないと、
シナリオの置いてきぼりとネタバレ食らうので必ず発売順にプレイする必要がある。
特に『ゆきいろ』は前3作のプレイ済を前提にスタートするので要注意。

筆者もプレイ順に従い『都 → 天 → 春風 → 希亜』で攻略を進めた。
都シナリオは導入という事もありフラグを立てるだけ立てて回収していないのだが、
天シナリオからフラグ回収が進み『9-nine-』が面白くなるのも天シナリオ中盤からなので、
めげずにそこまではプレイして欲しい。特に天と主人公のやり取りは面白いので必読。
一部界隈では都シナリオのみプレイをしてシリーズに見切りを付けた人もいる様だが、
勿体無いのでせめて天シナリオまでは読み進めて欲しい。

………

キャラクター

和泉つばす先生が原画を務めている事もあり、立ち絵・イラストの両方とも安定している。
オススメは『ゆきいろ』で出てくるソフィーティアの本体の立ち絵。作中で自称するだけは合った。
残念なのは、このキャラクターが描かれている一枚絵が無かった事。
是非とも2021年4月に発売する全年齢版でイラストを追加して欲しい。

先に紹介したE-moteとの親和性も高く、イラストとE-mote動画を違和感を出さずに繋ぐ技術も必見。
繋ぐ部分は違和感が出やすく他作品では苦労した形跡が多く見られるのだが、
物ともしない所は、和泉つばす先生の画力とプログラマーの力が上手く合った結果だと思う。

………

主題歌・ムービー

米倉千尋さんが主題歌・挿入歌・エンディングを一貫して担当。
総じてスピード感のある曲に仕上がっており、ゲームの盛り上げに一役を買っている。
歌詞は本編の内容を示唆する箇所が多く、
ゲームの全ルートをコンプリートした後に曲を聞くと歌詞の仕込みに気づける様になっている。

各々好きな曲があると思うが、
オススメは『ここのつ』のED曲 “ふたり” と『ゆきいろ』のOP曲 “DEAR MY WAKER” の2つ。
特に “ふたり” の方はOP曲でも通用する様な曲に仕上げつつも、
ED用に歌詞が書かれているのが凄く気に入った。
2020年冬のアキバPOP祭通販で購入したサントラが届けばフルを聞けるので待ち遠しい。
2021年1月6日までアキバPOP祭通販を受け付けているので、エ○ゲソング好きは今すぐ買うべし。

OPムービーも仕込みが多いので飛ばさずにじっくりと見て欲しい。
特に『ゆきいろ』のOPはプレイ後に改めて見直すとシナリオの真相を表現している。
EDムービーは普通の動画なので飛ばしたくなるが絶体に飛ばしてはいけないのも『9-nine-』の特長。
某ヒロインのEDで雰囲気を盛り上げる大きな仕掛けがあるので飛ばすと驚きが半減する。
初めてそのEDムービーを見た時は久々にエ○ゲで鳥肌が立った。

………

2017~2020年にかけて1年毎に発売され、2020年に発売された『ゆきいろ』で一旦幕を閉じた本作。
分割商法は嫌う人が多く筆者もあまり好きな方では無いのだが、
『9-nine-』は敢えて分割化する事で各章のダメな所が次作にフィードバックされ、
全体を通した際の完成度が上がった好例だと思う。
クライマックスを読むと判るが、本当は『ゆきいろ』でシリーズを終わりにして、
残りはプレイヤーの解釈に委ねる形を取ろうとしていたのかもしれないが、
解釈に重ねる形で新章が発表されたのもフィードバックあってこそだと思う。

ゲーム価格も各章ロープライスとなっており、全て購入しても11,200円と比較的良心的なのが嬉しい。
2021年4月発売予定の『新章 単体DL版』の価格はわからないが、
エ○ゲ版を全章購入した人も見捨て無かったのは嬉しい。でも、折角ならパッケージ版を出して欲しい。
ちなみに、各章全てに新章も追加した『9-nine-総集編』もフルプライス9,800円で出る様なので、
まだ本編を購入していない人は2021年4月まで待って総集編を購入するのも一つの選択肢になる。
豪華限定版は…値段高いので本作を心から好きな人向け。ソフィーティアからのお手紙は気になるが…

最近は大作新規エ〇ゲが少ない上、リメイク品が増えてきた事から業界がヤバいと感じる事が多いが、
そんな逆風にも負けずにシリーズ累計25万本を売り上げたのは流石の「ぱれっと」パワーだと思う。
元から日陰の業界であるが消えるのは悲しいので『9-nine-』の展開とまだ見ぬ新作を頑張って欲しい。
和泉つばす先生とぱれっとのコンビなら必ず買うので是非新作を。

………

長々と書いてしまったが、プレイすると面白いので積んでいる人はプレイすべし。
時間が無い人は毎週土日にプレイして1ヶ月かけるも良し、
時間がある人は一気に2~3日でプレイしきるも良しな作品。
天と主人公のやり取りはテンポが良くシナリオがハマれば最高のコンテンツとなる。
今の雰囲気だとメディアミックスも見込んでいそうなので、引続き注目しつつ2021年4月を待とうと思う。





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